京都の円山公園内にある、デザートカフェ長楽館にて、念願かなって人生初のクレープシュゼットをいただくというビッグイベントを経験しました。
ビッグイベントにふさわしい大舞台
長楽館とは、明治時代の実業家、村井吉兵衛氏の別荘として建設された、3階建ての荘厳な館です。
デザートカフェの利用をお伝えし、通して頂いたのは、本館二階の、「鳳凰の間」。
後になって気付きますが、すでにここから、物語は始まっていたのです。
素晴らしく手の込んだ調度品に、ため息を漏らさずにはいられない。
満を持して注文した、「クレープ・シュゼット」
クレープ・シュゼットとは、ご存知の方は読み飛ばして頂いて結構ですが、オレンジの果肉や果汁を用いたソースを掛け、最後にグランマニエ酒などのリキュールに火をつける「フランベ」という手法で仕上げるデザートです。
こちらのデザートカフェでは「ドレサージュ」という、客の目の前で最後の仕上げを行っていただくものになっています。
村井吉兵衛氏の事業で取り扱っていた商品をモチーフにしたであろう、レトロなパッケージのコースターです。孔雀のイラストが入っています。
この商品にちなんで、この部屋を「鳳凰の間」と名付けたのでしょうか。
待つこと数分、いよいよドレサージュの準備ができたと見え、クレープ・シュゼットが運ばれてきました。
ウェイターの方から料理についての説明を受け、いよいよ着火です。
柄杓状の容器に入ったリキュールに、ランプで火を灯し、それを勢いよくクレープに注いだその時!
青く、所々橙色の炎が、80センチ近く燃え上がったのです。
そして、なんということでしょう、その背後には、先ほどコースターでも見た、鳳凰の絵の額が飾ってあり、あたかもそれが、不死鳥・フェニックスが焔をまとい飛び立ったかのようでした。
バターとオレンジ、そしてちょっと大人の味のリキュールが、厚く焼かれたクレープそしてアイスクリームと調和する味わいは、まるでそれぞれの素材が役割を持った劇のようです。何度も炎の中から甦る不死鳥のように、みなぎる生命の奇跡を感じつつ、この日を伝説の1ページとして心に刻んだのでした。
アクセスなど
住所
京都市東山区八坂鳥居前東入円山町 604
阪急河原町駅から徒歩約15分
京阪祇園四条駅から徒歩約10分
営業時間
11:00〜19:30(19:00 L.O.)
HP
※2017年11月時点での情報です。
メニューは季節によって変わるようです。
デザートカフェ以外にも、館内にはホテル、レストランなどもあります。