庶民の味方の代表的な食材といえば、安くてヘルシーな鶏むね肉といえるのではないでしょうか?そんなむね肉ですが、最近価格が上昇してきており、ニュースでも値上がりが取り上げられているようです。
目次
年々上がってきている肉の値段
実は鶏肉以外にも、肉全体の値段は上昇してきています。
例えば一番顕著なのが牛肉です。これは輸入品がメインなので、その時の政策や関税、為替レートなどで値段がかなり変わってくるので当然ではあるのですが、10年前ならオーストラリア産の切り落としで、98円/100gというのはしょっちゅうありましたが、現在ではこの値段では味付け肉でたまにあるくらいです。味付け肉というのは鮮度が落ちた肉を最終的に売る手段かと思いますので、個人的には購入対象外なのですが、味付けでない切り落としでは138円/100gというのを見つけるのも最近では困難になりつつあります。
また豚肉ですと、例えば国産のもも肉は10年前であれば安い時で78~88円/100gでもありましたが、最近では安くて98円/100gがいいところでしょうか。さらに国産自体がシェアを縮小しており、代わって増えてきているのがアメリカ産の豚肉です。これらは国産より少しだけ安いですが、それでももも肉で88円/100g程度と、そこまで割安とは思えないような価格設定になっています。そのためか和風のブランド名を付けたり、売り場自体を拡大して、消費者に浸透させようという、小売店の意志を感じます。
鶏もも肉と比較してみると…
このように牛肉、豚肉は、輸入のものもあるので一概に高くなったかどうかの判断は難しいのですが、鶏肉はまだ一般消費者向けのものは国産がメインのようです。
それにはやはり安全性の問題があるのかと思います。何年か前に問題になった、中国やタイ産のファストフードやコンビニのチキンの加工品の問題(なぜかコンビニのほうだけ闇に葬られているように思えるのですが)、そしてつい最近問題になったブラジル産の鶏肉の問題などがあるのでしょう。
10年前では、鶏もも肉88円/100g、鶏むね肉28~39円/100gくらいが底値だったように記憶しています。よく鶏むね肉が安い時はシチューを作っていたのを思い出します。
ところが現在では、鶏もも肉は安い時は88円/100gというのも結構あるのですが、むね肉は安くても49円/100gくらいで、同じ鶏肉内でもむね肉のほうが相対的に高くなっているのです。
料理番組、レシピサイトでも引っ張りだこのむね肉
最近では自分で料理することがめったになくなり、妻が料理してくれたものをいただいているのですが、よく思うのが、「鶏むね肉ってこんなに柔らかくておいしかったっけ?」ということです。どうも最近主婦の間では鶏むね肉が大人気のようです。
高たんぱくで低脂肪
鶏むね肉といえば、やはり脂肪が少なく、肉の中ではヘルシーだというのは、周知の事実ですが、やはりどうしてもぱさぱさしてしまうので、今までは人気がなかったようです。
ところがクックパッドなどの普及で、みんなが色んな工夫をして鶏むね肉を柔らかくおいしくするレシピを公開して、さらに料理研究家の方々もどんどんむね肉をおいしく頂ける手法を開発し、今や鶏むね肉は引っ張りだこの食材となっています。
節約志向にマッチした鶏むね肉
鶏むね肉のもう1つの大きな利点は、やはりその価格の安さでしょう。物価の上昇でどんどん色んな食材の値段が上がる中、財布にやさしくて栄養も満点な鶏むね肉は、必然的に人気の食材になっているようです。
幸せホルモン、セロトニンがたっぷり
これは妻から聞いたのですが、鶏むね肉にはセロトニンという成分が多く含まれているそうです。セロトニンというのは体内でいろいろな働きをする物質なのですが、その一つにメンタルヘルスを向上させるという役割があるそうです。安くて、ヘルシーで、ハッピーになれる、そんな鶏むね肉が、主婦のハートをがっちりつかんでしまいました。
それでも僕は鶏むね肉を食べ続ける
とまあ簡単に言うと鶏むね肉の人気が出て値段が上がってきましたという話で、やっぱり人気と価格は比例するんだなあとか、需要と供給で経済は成り立っているんだなあとか、思いを巡らせていたのですが、どんな安い食べ物でも、それは食物連鎖の一環として頂いているものですので、無駄にしてはならないと、改めて思いました。そして三人寄れば文殊の知恵とはいいますが、人間の探求心ってすごいなというのも、何か明るい気分になりました。